(健康経営銘柄)トヨタ自動車株式会社
【特別事例記事】トヨタ × WellGoが示す「次世代の行動変容」とは
「世界のトヨタ」であるトヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」)がWellGoの健康経営アプリを土台にして、従業員の行動変容に新たな風を吹き込みました。
そのヒントになったのは「ゲーム」です。
トヨタ自動車が目指す「次世代の行動変容」とは
「わたしたちは、幸せを量産する」をミッションに、様々な事業を展開するトヨタでは、従業員の健康を最も大切にし、従業員一人ひとりの健康増進・疾病予防活動に積極的に取り組む「健康宣言」を公開しています。
これから少子高齢化・労働力人口の低下が予測される中、従業員の平均年齢は徐々に上昇していきます。このままでは、2021年比で10年後には休務者は3割増、医療費は2割増になると予測され、特に20~30代の若年層の体重増加が、中高年における生活習慣病問題へ影響を与えることが明らかになってきました。
自ら行動変容を続ける仕組みが不可欠
いきいきと元気に活動する人づくり・職場づくりのために、若年層へのアプローチを積極的に行うにあたり、トヨタが意識したのは、「気づき」と「行動変容」そして「継続」です。
まだ病気を意識しづらい段階の人がさらに健康を促進するには、一人ひとりに合った情報が適切に届き、健康行動の接点を増やしてきっかけをつかむ機会を増やし、さらには継続したくなるフィードバックを送り続けていく必要があります。
トヨタはこのプロセスについて、健康管理データを安全な形で一元化し、ICTを駆使して積極的に活用する「健康支援アプリ」を導入し、より効果的な展開を図っています。
毎日アプリを開き、楽しく使っていくうちに、従業員は若いうちから自然と健康行動を継続させ、傷病を未然に防ぐポピュレーションアプローチにつなげていくことができます。また、データの一元化により医務職への負荷が大きく軽減され、必要な人へていねいな対応がとれるようになります。さらには、従業員一人ひとりにカスタマイズされた健康サービスが届けられるため、健康支援の品質向上も促されます。
若者へのアプローチにはゲーミフィケーションを
特に、若年層に対しては、潜在的なニーズを把握するため、ふだんから使っているアプリを調査したところ、ゲーム性の高いものを好む傾向が見えてきました。継続性を保つためには、ゲームを用いた「ハマる仕掛け」を導入する必要があることがわかってきたのです。
そこでトヨタは、WellGoのアプリにゲーミフィケーションの要素であるゲームメカニックス(ポイント、バッチそしてランキング)とゲームストーリー(クエスト)を追加していきました。さらにグループダイナミックスを活用した職場のイベント機能も提供すると、健康アプリのダウンロードは、わずか半年で当初の目標を超える上昇となったのです。
特に、ゲーム性の高いウォーキングイベントを開催したときは、普段のダウンロード数の2倍を記録する大幅な上昇となりました。その後も、全社企画以外に数十の部署が自ら企画するイベントを多数開催しており、ダウンロード数は登り続けています。
そして、イベントを展開した結果、20代から50代以上まで全世代で、イベント参加者の方が、前年度の健診結果よりも2kg減の割合が増えるという結果が得られたのです。
ゲーミフィケーションとは
ゲーミフィケーションは、その名の通り、ゲームの要素を応用して関心を向けさせ、やる気を起こさせて行動変容を促す仕組みです。
例えば、次のような要素を健康行動に紐づけることで、ゲームにはまっていくように健康行動にはまっていき、自然と積極的な健康生活を続けていけるわけです。
・ある程度たまったらポイントがもらえる
・いくつかのクエストをクリアするとレベルが上がる
・だれかとちょっと張り合ったり話題にしたりできるランキングがある
・だれかと協力して一緒に達成できるイベントがある
健康管理システムに必要なゲーミフィケーション要素
とはいえ、ゲームを入れさえすれば健康行動を起こすようになるものではありません。ゲーミフィケーションを活用した健康アプリを展開するには、自律的に使いたくなる運用の仕組みが重要となります。健康管理アプリのゲーミフィケーションでは、次のような要素が不可欠です。
参加しやすさ
・常に手元にあるスマートフォンやスマートウォッチなどで手軽にできる
・スキマ時間にさっと立ち上げ、短時間でできる
・職場の仲間と一緒に続けたくなる協力プレイができる
プレイしやすさ
・直感的に操作できる
・簡単に成長が実感できる気軽な体験がある
・ユーザーの声がすぐに反映されて使い勝手が常に改良される
毎日の開きやすさ
・ログインボーナスがある
・短期間のイベントが多種類繰り広げられる
・行動をたくさん褒めてくれる要素がある
成功のカギはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にあり
ゲームは、ひとりでも十分楽しめますが、周囲の人達と張り合ったり、協力したりする「ゲームを通じたゆるやかな交流」が、積極的な継続には欠かせません。
仕事上の関係性とは切り離され、匿名性が確保される安全性をもちつつ、職場の仲間としっかりつながっているという安心感もある、そうした空間がゲームには必要です。
そのような関係性を効果的に作り上げるのが、職場内の安全なSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。
WellGoの提供するゲーミフィケーションでは、従業員はだれでもアバターで参加し、職位の上下も部署の違いも関係なく気軽にランキングに参加することができます。職場の休憩時間などに「今週ランキング1位に躍り出た◯◯さんってだれだろう」といった共通の話題で盛り上がる人達もおられます。
また、部署対抗の社内統一イベントに参加し、SNSでコミュニケーションをとることで、部内の団結感や場づくりに活用することもできます。
WellGoのゲーミフィケーションでは、次の要素を重視した機能で、従業員が自律的に健康管理を継続させる仕組みを構築するご支援をしています。
従業員に取り組んでほしい複数のクエストを会社側で設定する
従業員は、クエストの中から自分に合ったものを選び、目標を立てる
レベルバッジやポイントで、個人として関心を高めていくことができる
ランキングで個人的に張り合ったり、部署対抗等(団体)イベントで結束して取り組んだりと、様々な関わり方で健康に関心を向けさせ、継続を促すことができる。
具体的にどのようなゲーム要素が入っているのか、ご関心のある方はぜひ、WellGoまでお気軽にお問い合わせください。
「幸せの量産」のために、健康習慣が定着するしかけを求めて
すべての従業員が自発的に健康習慣を身につけ、それぞれの価値の中で満たされて生きる「幸せの量産」のためには、自分から行動を起こそうとする行動変容を促し、習慣として定着させるしかけと、一人ひとりの行動に応じた継続的なサポートが必要です。
誰をターゲットに、どんな行動を促すのがよいのだろう。
あれこれと試行錯誤する中、10年後を見据えた新しいしかけとして浮かんだアイデアが「ゲーミフィケーション」でした。
ゲームのもつ、続けたくなる面白さやつながる楽しさは、健康支援管理にも応用できるはず!
その思いを実現するため、従業員のWell-beingやサステナビリティの観点から健康管理アプリを開発する WellGo に白羽の矢が立ち、次世代型の健康管理ゲームの開発がスタートしたのです。
実際にどのような行動変容のデザインを行い、どのようなアプリが誕生したのかについては、ぜひ以下アーカイブでお確かめください。
2021年11月30日から3日間にわたり、厚生労働省が主催する「データヘルス・予防サービス見本市」が開催されました。
健康経営の知見とノウハウの最新情報が集まるこのイベントに、ものづくり経営の最先端を走るトヨタ自動車が、健康管理システム WellGo とコラボしたオンラインセミナーを開催しました。