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ワークプレイス・ウェルビーイング:職場の幸福を測定するための4つの指標

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健康や満足度といった個人に属する問題を、組織運営の視点から戦略的に取り組むものに「健康経営®」があります。

特に近年は、従業員の視点に立って組織への影響を考えるものとして、満足度や幸福度、意義や目的達成といった価値を明確にした「ウェルビーイング」に着目する経営が注目されており、政府の方針としても取り上げられるようになってきています。

本記事では、特に職場におけるウェルビーイングを考えるキーワードとなる「ワークプレイス・ウェルビーイング」を取り上げ、職場の幸福度をどのようにして捉えていけばよいのかについて、4つの指標を紹介します。これからの健康経営の参考にしてください。


ワークプレイス・ウェルビーイングとは

ワークプレイス・ウェルビーイングとは、職場における従業員の幸福感を指します。従業員一人ひとりが仕事や職場環境などをどのようにとらえているかといった主観的なアプローチで、仕事に対する満足感や、仕事における身体的・精神的な経験、仕事がその人にとって有意義で生きる目的にかなっているかといった要素が考えられます。

従業員の満足度・幸福度は仕事や職場環境に対する行動に影響を与えるため、ワークプレイス・ウェルビーイングを把握することは、以下のような職場の改善につながり、職場の活力が高まって生産性が向上し、業績や企業イメージのアップが期待できます。

  • 身体的な健康・安全
  • 精神的な健康
  • 尊重し合い協力する人間関係
  • 適切な勤務体制
  • スキルやキャリアの自主的な向上


主観的幸福感とワークプレイス・ウェルビーイング

ウェルビーイングは個人が自分の人生や現在の状況に対して感じている満足度や幸福感を表すもので、個人的・主観的な観念です。つまり、一人ひとりが自分の生き方に対してどのくらい満足しているのか、ポジティブに捉えているのかなど、評価や感情を捉えるもので、主に次のような要素が考えられます。

  • 評価的な要素:身体的・精神的・社会的にどのくらい満足しているか
  • 感情的な要素:ポジティブ/ネガティブな感情の強さや頻度はどの程度か
  • ユーダイモニア:生きる目的や意義を追求することに関してどのくらい充実しているか

このように個人が自分の人生に対して主観的に感じる幸福感を「サブジェクティブ・ウェルビーイング」(主観的幸福感)と呼ぶことがあります。一方でワークプレイス・ウェルビーイングは、職場の中での関係性や文化などの範囲の中でどのように感じているかを捉えていくものです。

両者は密接に関わり合いっています。一般的に仕事は、時間的にも経済的にも生活上に大きな影響を与えるため、職場の環境や文化、人間関係などの要素が従業員一人ひとりのウェルビーイングに大きな影響を与えるとともに、個人の感じる満足度や幸福感が職場の関係性に影響を与え、さらに職場環境を変えていくという相互作用が働くのです。


ワークプレイス・ウェルビーイングを評価する4つの指標

では、具体的にどのような指標を使ってワークプレイス・ウェルビーイングを測っていくとよいのでしょうか。ここからは、評価的要素、感情的要素、ユーダイモニアに関連するものとして「仕事満足度」「仕事と人生のバランス」「仕事へのコミットメント」「仕事への情熱」の4つの指標をみていきましょう。

仕事満足度

個人が自分の職業や職場に対し、どの程度満足しているかを示すものです。例えば、仕事が自分の能力や興味に合っているか、仕事の難易度や量が適切か、仕事の成果や評価が公平か、仕事の報酬や待遇が妥当か、仕事の環境や人間関係が快適かなど、以下のような項目が関係してきます。

  • 職務内容に対する満足度
  • 給与や報酬に対する満足度
  • 昇進の機会に対する満足度
  • 上司や同僚との関係に対する満足度
  • 職場の環境や設備に対する満足度

仕事満足度は、職場での経験や感情が全体的な生活の質や幸福感にどのように影響するかを示す重要な要因で、仕事満足度が高いと、生産性やパフォーマンス、忠誠心や離職率などに効果的な影響を与えると考えられます。例えば、仕事満足度が高い従業員は、低い従業員よりも生産性が22%高く、離職率は40%低くなるという研究結果があります。

仕事と人生のバランス

仕事での行動と、プライベートでの行動の均衡をどのように保っているかを示すものです。例えば、仕事と家庭や趣味などの時間や身体的・精神的エネルギーなどの配分がバランスのとれたものになっているか、仕事と私生活の境界が明確か曖昧か、仕事と私生活の相互作用がポジティブかネガティブかなど、以下のような項目が関係します。

  • 仕事の要求と家庭生活の要求との間の調和度
  • 仕事時間外の時間の品質
  • 休暇や休憩の取得容易性

良好な仕事と人生のバランスは、ストレスの軽減、家族や友人との関係の向上など、多くの生活の側面でポジティブな効果をもたらし、全体的な幸福感や生活の質の向上につながる可能性があります。例えば、仕事と人生のバランスが良い従業員は、悪い従業員よりもストレスレベルが28%低く、健康状態が25%良くなるという研究結果があります。

仕事へのコミットメント

職場や職務へどの程度の帰属意識や貢献の姿勢をもって関与しようとしているかを示すものです。例えば、仕事の目的や意義に共感しているか、仕事の価値観や方針に同意しているか、仕事で自分自身を表現できているか、仕事で自分自身を成長させられているかなどが関係します。

  • 組織や職務に対する献身度
  • 組織の目標や価値に対する同調度
  • 職場への帰属感

高いコミットメントは、職場での成功や達成感をもたらす可能性がありますが、一方で過度なコミットメントはバーンアウトやストレスの原因となる可能性もあります。バランスが適切に取れている場合、モチベーションや責任感、創造性やイノベーションなどに高い効果につながります。例えば、仕事へのコミットメントが高い従業員は、低い従業員よりもパフォーマンスが20%高く、イノベーション能力が59%高くなるという研究結果があります。

仕事への情熱

自分の行って仕事に対する熱意や興奮を示すものです。例えば、仕事に興味や好奇心を持っているか、仕事に挑戦や成長の機会があるか、仕事に自信や達成感を感じているか、仕事に幸福感や自己実現感を得られているかなどが関係します。

  • 仕事に対する興奮や興味の度合い
  • 仕事をすることで得られる充実感
  • 仕事に取り組む意欲やモチベーションの水準

仕事への情熱が高いと、仕事の意味や目的を見つけるのに良い影響を与え、仕事への意欲や達成感を高め、自己実現感を高める効果が期待できます。例えば、仕事への情熱が高い従業員は、低い従業員よりも幸福感が108%高く、自己実現感が50%高くなるという研究結果があります。


ワークプレイス・ウェルビーイングを健康経営に活用しよう

ウェルビーイングは単なる従業員の福利厚生とは異なり、人的資本を戦略的に活用する組織運営のひとつとして捉えることが重要です。政府が毎年取り組んでいる健康経営度調査でも、ウェルビーイングに関連する従業員の満足度といった価値を明確に打ち出す方向になってきています。

指標という形で見える化された概念を効果的に経営へとりいれる際、ポイントとなるのは情報公開です。今後は、戦略的にワークプレイス・ウェルビーイングの取り組みを具体的な施策にし、公開していく経営に、注目が集まってくるでしょう。


WellGoでは、ウェルビーイングをキーワードとして戦略的な健康経営に取り組む施策について、ウェルビーイング研究の第一人者である石川善樹先生と健康経営銘柄を取得し第一線で健康経営を牽引する野村HDをお招きし、これからの健康経営や従業員のウェルビーイングをどう測るべきかなど、対談形式のウェビナーを開催いたしました。すでに1000人を超える方にご視聴いただいております。ぜひこれからの健康経営にお役立てください。

<ウェルビーイング対談ウェビナー>
https://go.wellgo.jp/webinar/ClimbersReskillingEXPO2023_01

<ウェルビーイングとは何かを学びたい方はこちら>
https://go.wellgo.jp/article/column_01005_copy



WellGo編集チーム
記事を書いた人
WellGo編集チーム

プロフィール画像は、WellGo公式キャラクターの「うぇるごろう」。「健康という無形資産の考え方を変え、生き方を変える」を目標に、主に現場の医療職や健康経営担当者向けの情報をお届けします。営業戦略部マーケティングのWellGo編集チーム。